今日は運命の一日になった。
脱線事故を起こした電車はまさに私が通常出勤時に利用する電車だった。しかも先頭車両は私の定位置。
今日は出張だった。とはいえ、いつもと同じ電車で間に合うのでそのつもりで準備をしていた。
準備の途中で、出張会場で付けていなければならない名札を会社に忘れていることに気がついた。
あわてて準備をし、急いで駅に向かった。
いつもより7分早い、1本前の電車に乗ることが出来たので、会社に立ち寄り名札を取ってから出張会場に向かうことが出来たのだ。
大阪駅に着いた。
なぜか様子がおかしい。・・・・
「宝塚線(福知山線)脱線事故のため運転を見合わせております」のアナウンス。
え?今、乗ってきたのに？不思議に思った。
JR職員の動きが急に慌ただしくなってきた。
まさにその時、あの事故が起きていたということ・・・。
私は朝の時点で事故がどんなものかわかっていなかったが、昼休みにTVの画像を見た瞬間、体から血の気が引いた。
私が乗るはずの電車だった。そしていつも乗っている先頭車両は跡形もなくつぶれていた。
その後、仕事も手につかなかった。どうして、いつもの電車に乗らずにすんだのか・・・。
今日がたまたま出張で、前日に名札を会社のデスクにしまったからだ。
名札のおかげで、私は命拾いをした。
主人や家族、友人が安否確認の電話やメールが一日中・・・続いた。
主人は帰宅後、目元を潤ませながら、「本当に無事でよかった」と何度も言ってくれた。
私はTVのニュースを見るたびに胸が苦しくなった。
助けられた命を大切にしようと思う。
・・・・。
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